夜になるとネオンが灯り、昼とはまた違った表情を見せる大阪のまち。寄席や舞台、ライブ、クラブなど、観て、感じて、五感で楽しめる体験にあふれています。アメリカ出身モデル・ジャッキーさんと一緒に、旅行者のナイトライフを充実させるスポットをご紹介します。
昼とはまた異なる熱気に包まれる、夜の大阪。ライブ、マジック、ショーレストラン、クラブ── “観て、聴いて、感じて、五感で楽しめる”エンターテインメントが豊富で、ネオンが灯り始めると、あちこちから笑い声や音楽があふれ出し、街ゆく人の足取りもどこか軽やかになるのを感じます。
今回は、道頓堀、天保山など、アメリカ出身のジャッキーさんと一緒に「夜も楽しい大阪のまち」を巡りました。
Guide
アメリカ・サンディエゴ出身。バリスタ、スケーター、モデルと多彩な顔を持ちながら、「大阪LOVE!」を豪語し、関西弁をナチュラルに使いこなす。
中座くいだおれビルで夜の大阪をエネルギッシュに楽しむ!
まずは、2025年3月にエンタメビルとしてリニューアルオープンした「中座くいだおれビル」へ。その昔、芝居小屋「中座」として多くの観客を魅了してきた歴史があり、今は笑いあり、グルメあり、ショーやクラブもあって、観光客で賑わう道頓堀で圧倒的な存在感を放っています。
熱量高いパフォーマンスの連続に、大興奮!「OSAKA VARIETY ACT SHOW」
中座くいだおれビル5階にあるGIRAFFE JAPANでクラブ営業前に開催されている「OSAKA VARIETY ACT SHOW(以下、OVAS)」では、ジャグリング、アクロバット、コメディ、ダンスなど、ジャンルを超えた“バラエティショー”をノンストップで上演。言葉に頼らず、身体表現を中心に構成されているため、日本語が分からなくても直感的に楽しむことができ、観客との距離も近く、ステージの熱気や息づかいがダイレクトに届いてくるので圧巻です。
本公演の仕掛け人として、ショーのプロデュースと総合演出を兼任するEBIKENこと蛯原健一さんは、日本人初のアメリカズ・ゴッド・タレントの優勝者。そんなEBIKENさんのクリエイティブディレクションのもと、プロ・アマ不問の個性豊かなパフォーマー、アーティストが日替わりで出場するのがOVASの醍醐味です。
「日本だからといって醤油味や味噌味だけでなく、塩胡椒やカレー味もある……例えるなら幕の内弁当のような、いろんなおいしさが詰まっているのがOVASの魅力。これまでの日本にはないユニバーサルなショーを提案したい」とEBIKENさんは語ります。
開始時刻になり、客席の照明が落ちると同時に、空気が一変。目の前で繰り広げられる躍動感あふれるパフォーマンスに、ジャッキーさんの視線もすっかりくぎづけ。「ステージというより、それぞれのパフォーマーやアーティストの世界の中に入り込んだ感覚」と、思わず息をのんでいました。
大阪といえば“お笑い”のイメージが強いですが、OVASで体験できるのは、まさに世界に通用するエンターテインメント。コミカルでありながらも、どこかスタイリッシュ。観光の合間に気軽に立ち寄れる立地でありながら、そのクオリティは想像以上。大阪のナイトエンタメを知る最初の一歩として、これ以上ない場所だと感じました。
ヨーヨーパフォーマンス、歌、フリースタイルフットボールなど、どれも想像以上のスケールと完成度で驚きました。こんなに間近でパフォーマンスを見ることも、身体表現だけでここまで心を動かされたのも初めてで、どのパフォーマンスもレベルが高く、圧倒されてしまいました。
第2部:20:30~22:00(開演20:45)※18歳未満入場不可
入場料:平日・日曜 税込4,000円(ワンドリンク込み)/金曜・土曜 税込5,000円(ワンドリンク込み)など
22時からは道頓堀の夜を揺らす、熱狂のクラブステージへ
OVASが終わって深夜帯に差し掛かる頃に盛り上がり始めるのが、ナイトクラブです。週末ともなれば多くの人が集まり、フロアは熱気でいっぱいに。
国内外のDJによるプレイが続き、EDMやヒップホップ、R&Bなど幅広いジャンルの音楽がフロアを包みます。視覚も聴覚も刺激する演出に、思わず身体がリズムを刻み出すのを抑えられません。ジャッキーさんも「クラブって普段あまり来ないのですが、ここはポジティブなエネルギーやウェルカムなムードに満ちていて、初めて来ても楽しめそうですね」と話し、音楽に合わせて自然に踊る人々の中に混ざりながら、大阪の夜ならではの自由な空気感を存分に楽しんでいました。
踊り疲れたら、ルーフトップの眺望が楽しめるバーエリアで小休止
道頓堀の中心地に建つビルの立地を生かしたルーフトップにはバースペースも併設。
ギラギラとしたクラブフロアとは一転、テーブルに設置されたキャンドルライトのほのかな光と、大阪を代表するグルメモチーフのネオン看板が放つ照明だけが差し込む薄暗い空間はほっと一息つくのにぴったり。ジャッキーさんはお好みのドリンクをチャージして、まだまだ続く大阪の夜に備えました。
迫力ある音、光、パフォーマンス…そのすべてが大阪ならではのカルチャーを作り出しているように感じました。観光客も地元の人も混ざり合う空間で、国境を超えて楽しめる場所ですね。踊り疲れたらテラスに出て、外気に当たってクールダウンできるのもいい感じ!
「和(WA)」をテーマにした定期公演が人気の「TEMPO HARBOR THEATER」
大阪港にある「TEMPO HARBOR THEATER(テンポ ハーバー シアター)」は、大阪文化館・天保山内にある、音楽・演劇・講演・ワークショップなど多様な表現に対応するマルチ・パフォーマンス・スペースです。
和をテーマにした定期公演があり、15:00からは和太鼓体験「“WA”DAIKO RHYTHM QUEST」、17:00からは和楽器とダンスミュージックのフュージョン「OSAKA NIGHT FUSION」、夜は関⻄最⼤級となる直径180センチの⼤太⿎が登場する和楽器パフォーマンス「UTAGE LIVE SHOW」を見ることができます。
和太鼓と演舞、ライティングが織りなす「UTAGE LIVE SHOW」
今回体験したのは「UTAGE LIVE SHOW」。和のアップデートをコンセプトに掲げ、世界最大級のインディーズバンド・コンテスト「エマージェンザ」で、2023年のワールドチャンピオンに輝いた「TRAinnovation(トライノベーション)」がプロデュースするステージは、言葉も文化も関係なく、音と振動だけで心を揺さぶる。まさに、日本の伝統という枠を超えた、身体で感じるエンターテインメント。
ジャッキーさんも、文字通り“釘付け”になった様子でステージを見つめ「ものすごいエネルギーですね」と、小さく息を漏らしていました。
太鼓の音が体の奥まで響いてくる感覚に鳥肌が立ちました。リズムだけでなく、演者の表情や動き、その場の空気すべてがパフォーマンスになっている。まるで心臓とステージが同じ鼓動で動いているような感覚でした。日本の“魂”を感じられる、圧倒的な体験です。
※スケジュールが更新されることがあります。
朝、昼だけじゃない。夜も楽しめる、上方落語の聖地「天満天神繁昌亭」
「日本一長い商店街」として知られる天神橋筋商店街の一角に「天満天神繁昌亭(てんまてんじんはんじょうてい)」があります。ここは、上方落語を専門に上演する寄席として、年間を通して高座がかかる、全国的にも貴重な場所。夜の部(夜席)や、月1回の深夜の部(深夜寄席)もあります。
落語も歌舞伎などと同様に、伝統や格式を重んじるイメージがありますが、伝統を守りながらも、決して敷居が高すぎないのが繁昌亭の良いところ。また、一度鑑賞してみると分かりますが、主人公の大半は庶民であり滑稽話が多いのも上方落語の特徴で、日常に転がる「飾らない笑い」に触れられるのも魅力です。
開演時刻となり、出囃子が鳴りどんちょうが開くと、噺家が高座へ。扇子と手ぬぐいだけを持ち、語りと所作だけで情景を描いていく姿に引き込まれ、客席には自然と笑いが広がっていきます。
人物の声色と小道具を巧みに使い分け、観客の想像力を駆り立てながら、物語を展開していく。あらためて落語の魅力や噺家のすごさを感じることができました。言葉の壁があるジャッキーさんも「ストーリーを完璧に理解できるわけではないけれど、すごく楽しい気持ちになれた」と目を輝かせていました。
落語は2回目でしたが、たった一人で何役も演じ分け、表情と声だけで世界を作り出す技に心を奪われました。日本語は完全に理解できなくても、間の取り方や観客の笑いで空気を読めるのが面白い。とても“人間的なエンタメ”だと感じました。
食事とマジックを同時に楽しめる体験型レストラン「太陽の魔法レストラン マジックソレイユ」
最後に紹介するのは「太陽の魔法レストラン マジックソレイユ」です。ここは料理と驚きが同時に味わえることで大変人気のレストランで、マジックからイリュージョンまで幅広く上演。カード、ロープ、鳩、ファイヤー、さらには人体切断といった本格イリュージョンまで、その内容は実に多彩です。
扉を開けると、不思議な体験の始まりを予感させる幻想的な空間が広がっていて、普通のレストランとは明らかに違う、非日常への入り口に立ったと誰もが気づきます。
席に着くと、ショーが開幕するまでのひとときを利用して、お好きなドリンクと食事を注文します。マジックの最中も飲食は可能ですので、照明が消える前に注文しておくのがおすすめです。
開演時間になると、マジシャンたちが登場して自己紹介をしたあと、ショーの楽しみ方をレクチャーします。どのマジシャンも客席とのコミュニケーションを大切にしていて、大人も子どももマジックの一部に巻き込まれることもあり、いろいろな意味でドキドキ、ハラハラの連続です。会場には自然と笑顔や驚きの声が飛び交い、ジャッキーさんも「どうなってるの?」と目を丸くしていました!
食事をしながら、すぐ目の前で繰り広げられるマジックの数々! 距離が近い分、驚きが何倍にも膨らみました。目の前でやり取りされるのに、タネも仕掛けも見抜くことができない! 友人やデートで来たら、間違いなく盛り上がると思います。
観て、笑って、驚いて……大阪の夜の魅力は想像以上!
道頓堀の中心「中座くいだおれビル」を起点に、レビューショーとクラブミュージックに没入し、伝統の落語に笑い、目の前で繰り広げられるマジックに息をのみ、天保山では魂を震わせる和太鼓の音を浴びる——。
それぞれの場所に、まったく異なるエネルギーと物語がありました。すべてに共通していたのは、観客を楽しませたい、驚かせたい、感動させたいという強い熱量です。
昼の大阪が「食」と「活気」のまちだとしたら、夜の大阪は「感情」と「表現」が目を覚ますステージなのかもしれません。大阪に訪れた際はぜひネオンの灯る夜のまちにも出かけてみてください!
Photo:二宮幹(Motoki Ninomiya)
Edit:週刊大阪日日新聞社
Direction:人間編集舎