訪日旅行者に人気の大阪・堂山ゲイバー巡り。ドラァグクイーン・フェミニーナさんが案内するLGBTQ+ナイトライフ

梅田のすぐ東に位置する堂山町エリアは、LGBTQ+(性的マイノリティ)にフレンドリーな飲食店が多く、国内有数のゲイタウンとして知られています。今回は、外国人でも楽しめるお店を、各メディアでも人気のドラァグクイーン・フェミニーナさんに案内してもらいます。

フェミニーナさん

大阪最大のターミナルエリアから徒歩圏内にあり、多様な人々が集まるキタのホットスポット、堂山。音楽やコミュニケーションを楽しめるバーやクラブ、ドラァグクイーンのショーを観られるダイニングバーなど、業種や楽しみ方も多彩。今回は、大阪で長らく活動するフェミニーナさんがナビゲーターとなり、自然体で楽しめる夜の街をご案内! 基本ルールや楽しみ方をレクチャーします。

Guide

フェミニーナさん
フェミニーナ(femminina)

大阪生まれのドラァグクイーン。愛称は「フェミちゃん」。178cmという高身長を生かしたパフォーマンスと、親しみやすいキャラクターで人気を集める。週末を中心に定期的にショーに出演する一方、関西を拠点にテレビやラジオに登場し、街ブラロケもこなす。自身のYouTubeチャンネルでは飾らない姿も見せ、関西のドラァグカルチャーを身近に感じさせるアイコン的存在。

堂山ツアーは外国人にも人気のEAGLE OSAKAからスタート!

EAGLE OSAKA

街にネオンが灯り、通りを行く人が少しずつ増えてきた宵の口。「待ち合わせにちょうどいいから」とフェミニーナさんが教えてくれたのが、2024年3月、堂山町にオープンしたバー「EAGLE OSAKA」です。ビル1棟を活用し、3フロアごとにコンセプトが異なる空間を設けています。

こちらは、日本最大級のゲイバーグループ「EAGLE TOKYO GROUP」の系列店。月〜木曜は入場無料、支払いはキャッシュレス決済のみ、という分かりやすさも評判を呼び、「外国人も入りやすい大型店」として早くも定着しています。

EAGLE OSAKA

1階はダンスフロアとなっており、週末は定期的に音楽イベントを開催。入場料はかかりますが、全フロアを行き来でき、再入場も可能です。

EAGLE OSAKA
奥に見えるのはアーティスト・児雷也さんによる壁画。フォトスポットとしても人気

2階のバーエリアは、スタンディングスタイルでありながら、屋台街や横丁のような和の空間が広がっています。早い時間帯は、1軒目として軽く飲んだり、友人たちとの待ち合わせに使う人が多いそう。カウンターでは大阪にちなんだオリジナルカクテル「ミックスジュースパンチ」を勧められ、スタッフさんと乾杯。

EAGLE OSAKA

「遊技場」がテーマの3階は大阪・新世界をイメージした内装で、ダーツマシンが設置されています。他にもミニギャラリーを備えていたり、至る所に提灯や和風サインが散りばめられていたりと、自然とコミュニケーションや記念撮影が生まれる仕掛けがなされています。

EAGLE OSAKA アーティストとのコラボアイテム
EAGLE OSAKAはオリジナルグッズやアパレルも充実。アーティストとのコラボアイテムも多数揃えています。
EAGLE TOKYO GROUP発行のフリーマガジン。
毎号さまざまなアーティストとフィーチャーすることで人気のEAGLE TOKYO GROUP発行のフリーマガジン。日本語版と英語版があります。
EAGLE OSAKAのグッズ
店名入りのグッズは、大阪土産として買う観光客も多いのだとか。
フェミニーナさん

お店のシステムが分かりやすく、入りやすい雰囲気なので「堂山に来るのは初めて」という人や観光客にも、入り口としてオススメのお店です。隣り合わせた人同士で、会話が生まれることも多いですし、広くて席数が豊富だから、グループでも利用できます。週末のイベントに来られたお客さんも、国籍問わず盛り上がっていますよ!

EAGLE OSAKA
EAGLE OSAKA
住所: 大阪市北区堂山町12-8
Google Map
営業時間:日〜木 18:00〜翌2:00、金・土 18:00〜翌4:00
定休日:無休
電話番号:050-5538-6703
※イベントにより入場システムなどが変わる可能性あり

都会的センスとおもてなし精神が交差するDENGMANGへ

DENGMANG(デンマ)

続いて訪れたのは同じく堂山町のバー「DENGMANG(デンマ)」。1軒目の和モダンなデザインと打って変わって、きらびやかな照明が映えるクラブ風の空間です。テナントビルの一角でありながら店内は広々としており、メインのカウンターは幅7m超。お一人様はもちろん、4〜5人のグループでも入店しやすい造りになっています。

DENGMANG(デンマ)

フェミニーナさんは早速ドリンクをオーダー。ジャパニーズジンをベースに使った、ラメ入りカクテルを作ってもらいました。「カウンターで点てた抹茶を使うカクテルは、特に海外からのお客さんに人気だよ」とマスターの白鳥北斗さんが教えてくれました。

DENGMANG(デンマ)のカクテルとデザート

ファーストオーダーのセット内容は「ドリンク1杯+お通し」または「ドリンク2杯」で、チャージになじみのない海外からの旅行者にも分かりやすい設計です。なお土曜の夜は飲み放題システムに切り替わります(イベント開催時は料金が異なります)。フードは、枝豆のような定番おつまみから「鉄鍋オムライス」をはじめとするボリュームのある料理、デザートまでバリエーション豊富です。

DENGMANG(デンマ)のメニュー

ドリンクは本格的なカクテルを中心に約100種類を用意。ノンアルコールも豊富です。ビジュアルをイメージしやすいよう大量のイラストをあしらったメニュー表は、マスターが自らデザインしたものだそう。ここにも言語や文化圏を超えた配慮が感じられます。

フェミニーナさん

カラオケの音響の良さが評判で、大人数の宴会や貸切スペースとして活用されるDENGMANG。DJイベントやライブなど多様なイベントにも対応可能。夜間だけではなく、昼間にボドゲ会やワークショップといった交流イベントも盛んです。メニューのデザインもそうですが、いろんな所に北斗さんのホスピタリティが感じられるお店です。

DENGMANG
DENGMANG
住所: 大阪市北区堂山町6-14 第1松栄会館2F
Google Map
営業時間:17:00〜(イベント開催時は変更あり)
定休日:不定休
電話番号:06-6948-8689
※店内規則やイベントのテーマに合わない場合、入店をお断りされることがあります

GRAND SLAMは高密度ならではのコミュニケーションが魅力

GRAND SLAM

DENGMANGからすぐの「GRAND SLAM」はお客さんの大半が外国人という人気のバーです。DENGMANGが入っている建物と隣接するビルの1階にあり、店頭に飾られたレインボーフラッグが目印。ゴーゴーボーイ(主にゲイクラブなどで観客を盛り上げる男性パフォーマー)としてのキャリアを持つマサさんが2009年にオープンしました。

GRAND SLAM

「いつ来てもたくさんお客さんが入って、にぎわってるんですよね」とフェミニーナさんが言う通り、この日も平日にもかかわらずほぼ満員。海外出身のスタッフが在籍しており、日本語が話せなくても安心してお酒を飲める場として、口コミが広がっているようです。

GRAND SLAM

男性限定のイベントも開催されていますが、MIXバーとして定着しており、比較的女性のお客さんが多いのも特徴です。マスターのマサさんとフェミニーナさんは、かつて同じステージに立ったこともある旧知の仲。近況報告で盛り上がりました。

フェミニーナさん

英語圏だけでなく中国、韓国など東アジアからのお客さんも多いお店です。パブのような感覚で利用している方が多いので、1軒目でもハシゴの途中でも来やすいと思います。スタッフさんやお客さん同士の距離が近いので、自然とコミュニケーションも近くなりますよね。自分のお店に舞台を移したマサさんが、堂山の入り口として活躍し続けている姿も、久しぶりに見られてうれしかった!

GRAND SLAM
GRAND SLAM
住所: 大阪市北区堂山町6-14 第2松栄会館1F
Google Map
営業時間:21:00~翌5:00
定休日:日・月曜(月曜が祝日の場合は営業)
電話番号:06-6362-8077

do with cafeではフェミニーナさんもパフォーマンス!

do with cafe

堂山町から兎我野町へ移動し、フェミニーナさんが定期的に出演している「do with cafe」に到着。20年以上の歴史を持つ同店は、本格的な料理を楽しみながら、ドラァグクイーンのショーを観賞できるダイニングバー。「毎晩上演しているのは日本でここだけ」とも言われています。

do with cafeのエントランスのフォトフレーム

エントランスに設置されたフォトフレームには、do with cafeに出演するドラァグクイーンたちのカードが所狭しと飾られています。フェミニーナさんによると「週1〜2回のペースで出ている人が多い」とのこと。毎月の出演スケジュールは、公式サイトに掲載されています。

do with cafeの肉吸いや旬の食材をつかったおつまみ

ショーもさることながら、料理を目当てに訪れる人も多数。料亭での修行経験を持ち、ドラァグクイーンでもあるオーナーが手がけており、大阪名物の「肉吸い」や旬の食材を使用したおつまみなど、和食を軸としたメニューが充実しています。

定刻になるとフロアの照明が落とされ、ショーが始まります(ショーの開始時刻と回数は曜日により異なります)。席についたお客さんたちがステージに体を向けてクイーンの登場を待つ中、にわかにBGMの音量が上がり、待望のショーがスタートしました。

べべ・マーマレードさん
べべ・マーマレードさんはディスコ調の楽曲を使用し、伸びやかな歌声に合わせてダンス。
イルローザさん
イルローザさんは、セクシーかつユーモアあふれるパフォーマンスで笑いを誘います。
ozさん
ozさんは激しいダンスナンバーを使用し、世界観の演出にも抜かりなし。
フェミニーナさん
ステージ衣装で登場したフェミニーナさんは、観客参加型のパフォーマンスで魅せました。
do with cafeのショーの出演者全員

最後は出演者全員がステージに立ち、カーテンコール。観客はステージに向けスマホを向けたり歓声を上げたりしながら、華やかなショータイムを楽しんでいました。

フェミニーナさん

テーブル席が多いので、会社帰りにグループで利用する人も多いんです。クイーンは一人ひとりスタイルが違うし、その日の客席の雰囲気を見て演目を変えることもしょっちゅうあります。いろんな楽しみ方ができるエンタメ空間なので、一度と言わず何度でも来てほしいですね。

do with cafe
do with cafe
住所: 大阪市北区兎我野町9-23 聚楽ビルB1
Google Map
営業時間:月~木曜 17:00~0:00、金・土曜 18:00~5:00(フードLO 23:00)、日曜 18:00~5:00(フードLO 22:00)
定休日:火・水曜
電話番号:06-6312-1778
※20歳未満の方のご入店はお断りしております

夜の締めくくりは老舗クラブEXPLOSIONで飲む・歌う・踊る

EXPLOSION

再び堂山に戻り、最後の目的地であるクラブ「EXPLOSION」に到着しました。この日は平日のバー営業。ファーストオーダーはチャームとのセット料金で、以降はドリンク代が加算されるシステムです。フェミニーナさんは入店するとすぐに知人を見つけ、乾杯を交わします。

アンジェリーナ・じゅり子さん

カウンターの中にはフェミニーナさんと仲が良く、同じくドラァグクイーンとして活躍するアンジェリーナ・じゅり子さんの姿も。

EXPLOSION

クラブだけあってフロアは広く、奥にはステージやボックス席も。オープンから約30年という老舗で、週末はゲイ向けを中心に幅広いイベントが開催されます。イベントの内容やターゲットは、事前に公式サイトでチェックしておきましょう(イベントページの表記は、MIX=男性共に入場可、MEN ONLY=男性のみ入場可、WOMEN ONLY=女性のみ入場可)。

EXPLOSION
「盛り上がってるのに、しっとりした曲でごめん!」と謝りつつ、バラードの名曲を歌い上げていました。

ナビゲートのエンディングを飾るべく、フェミニーナさんがステージに。ちなみに、カラオケは無料で歌えます。

フェミニーナさん

今回のコースでは唯一のクラブなので、週末になると全く表情が変わるのが面白いスポット。LGBTQ+のイベントをメインに、アニソンイベントが開かれることもあるんです。クラブカルチャーとの交わりを感じながら、朝まで遊ぶならここ。平日も料金が分かりやすいので、ゲイバーに行ったことがない方や外国の方も入りやすいはずです。

EXPLOSION
EXPLOSION
住所: 大阪市北区堂山町8-23 サンヨー会館B1F
Google Map
営業時間:日・月・水〜金曜 20:00〜04:00、土曜 21:00〜05:00(イベント詳細は公式サイトに記載)
定休日:火曜(イベント開催日は除く)
電話番号:06-6312-5003

大阪ならではの「紹介文化」に身を委ねるのも、街を楽しむコツ

EXPLOSION

時代の変化と共に、多様な人々を受け入れ、近年では外国人観光客も多数訪れるようになった堂山。今回は少し南の兎我野まで足を延ばし、一晩でさまざまな業態のスポットを巡りましたが、このルートはあくまで序の口。「自分らしく楽しめる場所、コミュニティを見つけて」とフェミニーナさんは呼びかけます。

その上で、このエリアを楽しむコツは? と聞いてみると「気を張りすぎず、お店の人に聞いてみること」とのこと。「この辺りのお店には、別のお店を紹介し合う文化があって、店主さんやスタッフさんが『〇〇を楽しむなら、△△ってお店が気に入ると思うよ』と教えてくれるんです。特に今回案内したお店はオープンなので、素直に思いを伝えてみて」とアドバイスしてくれました。

Text:山瀬龍一(Ryuichi Yamase)
Photo:二宮幹(Motoki Ninomiya)
Edit:阿武悟史(Satoshi Atake)
Direction:人間編集舎

Featured Articles

全てを見る

Sightseeing Spots

全てを見る

Tickets & Tours

全てを見る